マナー

山形名物玉こんにゃく。

くたびれた木製のベンチに座って、最初に目に入った売店の赤いのぼり。

山形から、岐阜に移住してきた人が営業しているのだろうか。

ベンチに背を預けると売店の向こう側に、観覧車かというくらい大きな木製水車がゆっくりと回っている。その手前には石造りの3連アーチ橋が立っている。

久しぶりの遠出で疲れた体に、春のような暖かさと水車を回す水音がしみる。

レッグバックから水色のケータイマグを取り出し、若干冷めたコーヒーを飲む。

十分休憩したので、ゆっくりと立ち上がると愛車へ向かって歩き出す。

黒いライダージャケットを着て、頭に白いフルフェイスをかぶり、手にグローブをはめ、鮮やかな青と白のフルカウルバイクにまたがり走り出す。

出発してトンネルを1つ抜け、ループ橋を滑るように下ると信号待ちですぐ前にバイクが1台その前に黒いミニバンが1台。ナンバーから大型だとわかるシルバーの車体。バイクに合わせたシルバーのフルフェイスに上下が黒の中肉中背の男性が乗っている。

やがて信号が変わり、右折をして道なりに進んでひとつめのカーブを曲がっている最中に、前のバイクが右にウィンカーを出した。道は片側1車線でセンターラインは黄色、左側は山、右側は川で曲がれるところはない。だが、そのバイクは右に車体を傾けると、対向車線へはみ出しながら急加速してミニバンを抜き去っていった。

ここは、程よいカーブが連続した山道で、自分のペースで走りたくなる気持ちはわかる。しかし、ここは公道で、ましてやセンターラインは黄色だ。

ライダーのイメージが悪くなるので本当にやめてほしい。

 

ツーリングライダー上ちゃんでした。